このコースの楽しみ方
近代日本の産業基盤を築いた実業家 9 名を、業界創業の時系列で訪ねるコース。製造業・工作機械・輸入車・造船・通信・宝飾・食品・ホテル・出版 — それぞれの業界の祖を巡る。
- 1799-1881 / からくり儀右衛門 — 田中久重(1874 年に東京・田中製造所設立、芝浦製作所を経て現在の東芝につながる「東洋のエジソン」)
- 1847-1909 / 海援隊→近代造船 — 白峰駿馬(勝海舟門下・海援隊船将、米国で造船術を学び白峯造船所を経営した日本近代造船業の先駆)
- 1848-1906 / 通信機器 — 沖牙太郎(銀細工修業を経て工部省電信寮へ、1881 年に明工舎(後の沖電気)を創業、日本初の国産電話機を製造)
- 1858-1954 / 真珠養殖 — 御木本幸吉(1893 年に世界で初めて真珠の養殖に成功した「真珠王」、ミキモト真珠の創業者)
- 1865-1937 / 製菓 — 森永太一郎(米国で洋菓子製法を学び森永製菓を創業、日本に洋菓子文化を根付かせた)
- 1869-1934 / 工作機械・内燃機関 — 池貝庄太郎(田中製造所で修業して独立、明治 22 年 国産初の旋盤、大正 9 年 国産初のディーゼル機関を完成、日本機械工業の祖)
- 1878-1951 / 出版 — 佐藤義亮(新潮社の創業者、新潮文庫など近代日本の出版文化を支えた)
- 1879-1956 / 輸入車 — 梁瀬長太郎(大正 4 年に梁瀬商会創業、1923 年の関東大震災直後に GM 車 2,000 台を一括発注して輸入車市場を切り開いたヤナセの祖)
- 1887-1981 / ホテル経営 — 犬丸徹三(帝国ホテル社長 47 年在任、戦中はライト館で国賓接遇、戦後は GHQ 接収を乗り切る)
約 85 分の散策で、近代日本の「ものづくり・サービス業」の起点を辿れる。各業界の創業者が同じ青山の土に眠っている、というのが本コース最大のテーマ。
特筆すべきは、田中久重 → 池貝庄太郎の師弟関係。「からくり儀右衛門」として江戸末期から名声を得た田中が 1874 年に作った田中製造所(後の東芝)で、池貝が修業して独立し、後年に国産初の旋盤(1889)・国産初のディーゼル機関(1920)を作り上げた。江戸の機械からくり技術が、明治の田中製造所を経て、大正の重工業に繋がる連続性が見える。梁瀬長太郎の関東大震災直後 GM 車 2,000 台一括発注はほぼ破産覚悟の博打で、震災復興期の輸入車需要に賭けて勝った経営判断は産業史に刻まれている。
なお、青山霊園には他にも実業家系の墓があるが(浅野総一郎は總持寺、渋沢栄一は谷中霊園など、有名実業家の多くは他霊園)、本コースは青山霊園に眠る実業家から構成している。
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9 名の墓所を巡る徒歩経路を Google Maps の徒歩モードで開けます。
経路順:
- 田中 久重(1種ロ12号31側)←東芝の祖
- 梁瀬 長太郎(1種ロ12号7側)←ヤナセ、輸入車の祖
- 白峰 駿馬(1種ロ5号8側、北端)←海援隊・造船
- 沖 牙太郎(1種イ1号34・35)←通信機器
- 御木本 幸吉(1種イ1号11側)←真珠王
- 森永 太一郎(1種イ6号2側)←製菓
- 犬丸 徹三(1種イ5号8側)←帝国ホテル
- 佐藤 義亮(1種イ5号22側)←新潮社
- 池貝 庄太郎←池貝鉄工所、機械工業の祖
総距離 約 1.5 km、墓所間 20-25 分(参拝込み 80-90 分)。